暑くなってきましたなあ。

<B>『中勘助の恋』</B>(富田多恵子/創元社)読了

ハードカバー買ったのに、平凡社ライブラリーに落ちていたことを発見。
ショック! こーゆーの、よくあるんだよなあ・・・
銀の匙』を書いた中勘助の女性関係を追った本。中勘助は全然知らない
作家であった。読んでみると、夏目漱石に絶賛されて作家デビューし、
一高時代に漱石の教えを受け、「曰く不可解」とか言いながら日光華厳の
滝に飛び込んだ藤村操の一年後輩にあたる人であった。
この人の家庭環境がむちゃくちゃで、58歳になるまで結婚しなかったのだ
が、写真を見るとかなりイイ男で、かなりモテている。その女性関係を、
彼の随筆から深読みしていく本であるのだが、確かに『郊外 其の二』や
『妙子への手紙』を読むと、この人(中勘助)はかなりロリコン入ってる
なあ・・・と思わせることは確かだが、この本の作者の言い分は、半分位
は深読みしすぎのような気がする。まあ、ワイドショー的に面白いことは
確かなのだが、あまりにも牽強付会に思える所がいくつかある。
代表作もまだ読んでいないのに、こんなものを読んでしまうと、素直に読
めなくなっちゃうよなあ・・・。

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今日買った本
『一日江戸人』(杉浦日向子小学館文庫/\579-)
 杉浦日向子は、どちらかというと『百物語』や『百日紅』のような怪異
 譚(漫画)の方が好きだが、江戸学エッセイも結構面白いものである。