読んだ本。

『明治の人物誌』星新一新潮文庫)読了

狙いは江木衷の後輩花井卓蔵であったが、めぼしい情報は特になし。
この本はショートショートSF作家の星新一のお父さんに関係した明治の
人たちのお話。星新一のお父さんは星製薬の創立者で、野口英世伊藤博文
なんかのお知り合いなのである。こーゆーのを読むと、明治の日本って若い
なあ・・・と思う。みんながみんな国を思ってそれぞれ活動すんのだが、人
を介して政治家と実業家と学生が直接会える時代である。現在のように組織
や制度や階級が確立しておらず、なおかつ人材が不足しているからこういう
ことがおこるのであろう。ホンモノのアメリカン・ドリームである。
そのかわり、藩閥や住んでいる地方や出身で、初めからチャンスを与えられ
ていない人たちも山ほどいたのも確かなのであるが。
国の成り立ちというのは所詮ある人の個性と偶然の固まりであるのがよくわ
かる。放っておいたらなんとかなったというものではないのだ。