最近本買いすぎ。

<B>『シンシナティ・キッド』</B>(リチャード・ジェサップ/扶桑社海外文庫)読了。

これは学生時代にミステリ・マガジンに乗っていたのを読んで、大変に
面白かったお話なのだ。
ちょうどその頃ポーカーに凝っていたのだが、それにはこの小説の影響も
大きい。とにかくとてつもなくシブイのだ。ファイブカード・スタッド・
ポーカーという、日本ではあまりなじみのないゲームであるが、そのゲー
ムシーンは、控えめな筆致ながら手に汗握るスリリングさなのだ。
こういう極限までムダを省いて、きちんとありうべきゲーム展開を書いて
なおかつ面白いというのは、ポーカー小説数あれど、あまり存在しないの
だ。たいていはブラフかまして一発逆転エースのフォーカードとか、あり
もしないし、そんな手でつっぱるかい! ってな展開が多いのだ。
10年以上ぶりに読んだワケだが、やっぱり面白かったっす。ハードボイ
ルドやねえ。

ところで。この小説を原作とし、スティーブ・マックィーンが主演した同
題映画があるが、原作に比べるとあちらはクズである。マックィーンファ
ンでなければ観る必要はない。ペキンパーが撮ってたら、面白かったかも
なあ・・・

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今日買った本
中勘助の恋』(富岡多惠子/創元社/\2500-)