狸御殿シリーズ第二弾。

風邪で調子が悪いので、うちで『歌ふ狸御殿』を観る。

1942年の作品っつーので、これは戦時中なのですな。モノクロのマゲモノミュージ
カル。
♪かちかち山の狸さんこと泥右衛門の娘お黒(高山広子)は、泥右衛門の後妻とそ
の連れ子きぬた(草笛美子)にいじめられる毎日だけど、河童のぶく太郎(益田喜
頓!)やなんかと清く正しく美しく暮らしていたが、狸御殿の狸祭りには行くこと
ができない。が、お黒が救った白木蓮の木の精に「さぎり姫」に変身させてもらっ
て狸御殿に向かうことに、そこで若君狸吉郎(宮城千賀子)に見初められるのだが、
暁の鐘が7つなると、元の貧しいお黒の姿に戻ってしまうの・・・
というわけで、シンデレラの翻案なのでした。ともかく歌って踊ってお涙頂戴の、
かつての日本の娯楽大作なのだ。「戦時中にしては」という前提付きでおもしろい。
けど、今回はマジだな。『狸道中』の方は計算づくでヘンテコさを狙っていたと思
うのだが。
かちかち山の狸たちと、ぶんぶく茶釜系狸たちとのののしりあいは、なんつーか、
ほほえましいですな。しかし自分が狸のくせに「狸汁にして食べちまいな!」っつー
のはどうかな?