日本周回MINIの旅 北海道上陸作戦(4)

さてフェリーである。お金がないので当然2等旅客である。2等旅客は集合部屋
というが、ただのだだっ広いカーペットの大部屋に雑魚寝するだけである。奥の
方のよさそうな場所をキープする。回りはなんだかお金のなさそうなビンボー人
ばかりである(嘘)。んで、小樽まで18時間である。一口に18時間とはいう
が、船室に押し込められての18時間は、はっきり言って苦痛である。やっぱお
金のある人は飛行機に乗って、現地でレンタカーを借りた方がよい。しかしワタ
シの場合は、このMINIで行くことに意義があるのである。たとえ飛行機より金が
かろうとも。

てなわけで船上の暇つぶしアイテムは、バックギャモンである。なぜかこの当時
バックギャモンがマイブームだったのだ。それをIに無理矢理教えて「一時の娯
楽に供する」程度のモノを賭けて、往路延々ゲームを続けていたのであった。飽
きると船上に出てみてもしたが、風が強くていまいち。日が落ちると寒くなるし、
で、結局船内でバックギャモンをやるか、ひっくりかえって寝てるか、本を読ん
でるかくらいなのである。ちなみにシャワーくらいはあったような気がしないで
もない。
寝て起きてだらだらして飽きが来まくった頃、船内アナウンスがあって、北海道
が見えてくる。この日は'93年の7月30日であるが、この18日前、7月12日に北海
道南西沖地震奥尻島が壊滅状態になっている。その奥尻島も見えたと思う。た
だし町の様子はほとんど分からなかったが。

小樽港が近づくと、「車で来てるやつぁ全員車に乗り込みやがれ、この貧乏人ど
も!」てなアナウンスが流れ、ぞろぞろと薄暗い貨物室に押し込められる。接岸
したゴーンという低い音、エンジンが止まる音に続いて、ハッチが開き、陽光が
差し込む。カーフェリーは始めてだったが、船の後ろから乗り込み、出るときは
前から出るのである。なるほど合理的。調子に乗ってぶいんと下船すると、段差
で底をすった。ありゃりゃ。