日本周回MINIの旅 西日本強襲作戦(10)

ワイパーのゴムは新しく替えたばかりなのにおかしい。雨の中車を降りてみると、
ブレードのゴムを固定する金具が壊れていて、ゴムの部分だけが下にズレ、むき出
しになった先端の金具がフロントグラスに直接当たっているのだ。おかげでフロン
トグラスには弧を描いて傷が・・・。替えのブレードを持っていないので、さっき
の弁当に着いていた輪ゴムでぐるぐる巻きにしてブレードを固定しておく。ガソリ
ンも補給して東へ東へ。
いつしか山口県を抜けて島根県へ。鳥取と島根は島根県の方が西にあったのね。道
がだんだん山がちになっていく。雨もだいぶ上がってきた。ここらへんの道は、道
の駅がよく整備されていてよいが、道の駅ゆうひ、だとか道の駅キララ多伎だと
か、えらく個性的なネーミングがされている。どこだか分からんじゃん。
益田で国道9号線に乗り換えて、一路出雲へ。しかしすでに夕方6時を過ぎてお
り、周囲が暗くなってくる。道路標示に従って出雲大社を探すが、何度か道を迷っ
ているうちに日はとっぷりと暮れて、出雲大社に着いたころには夜7時半。空はも
う真っ暗。しかしここまで来たからには、日本中の神様が集まる出雲大社に参詣し
ないわけにはいかないだろう。と、いうことで、適当にMINIを停めて鳥居をくぐる。
さすがに日本の神様の総本山、出雲大社はでかい。玉砂利を敷いた参道をてくてく
歩く。もう空はまっくらで、参道に灯火ははほとんど無い。ほぼ真っ暗の中を歩い
ているわけだが、他に人は全くいず、自分の踏みしめる玉砂利の音だけが境内に響
く・・・これは、こえぇぇ! なんたって頭の上まで樹木の枝が広がってて、物音
ひとつしない暗闇に、遠くの方に燈明だか街灯だかの明かりがぽつんとあるだけ。
道はまっすぐ続いているけど、ほとんどどなにも見えず。反響なんだか何だか遠く
の方から誰かが歩いているような音は聞こえるし、びびりまくりである。何度も引
き返そうかと思ったが、とりあえず、てことで足を進め、なんとか一番奥まで到
着。暗くてよくわからないが、門かなんかがあって、透かしてみると、どうももう
とっくに閉まっている様子。そらー、これだけ人っ子ひとりいなけりゃ閉まってい
ても当然か。まあ、しゃあねえ。てことで内心ほっとしながら早足で帰途につく。
しかしこりゃホントに広いね。昼間に来ればさぞかし風景がいいんだろうけどなあ。

<続く>