日本周回MINIの旅 四国潰走編(7)

ところでワタシはとうの昔にJAFの更新をやめていたのである。この旅行の前に
入り直そうかとチラと考えたのではあるが、「まあいいか」ってんでそのまま来て
しまったのである。大甘である。しかしまあ、高い請求されるだろうが、しょうが
ない。車のダッシュボードの奥に残っていたJAFの会員証を探しだし、電話を掛けよ
う。と、思ったら、圏外であった。ワタシは当時も今もPHSなのだが、そのせいかど
うかわからない。ホントに山の中で人家は見えず。照明もないので周囲は真っ暗。
時々車が通るが、その風圧でMINIが揺れる。うーん、悲しい・・・
しょうがないので非常電話を探すのだ。

車を降りてとぼとぼと本州上り方面へ歩く。高速道路上を歩くのは初めてだが、結
構通過する車の風圧が強くて怖い。車から見るとマヌケな光景だろうなあ。少し歩
いた先に案内板があって、非常電話まで360m。カーブを曲がっててくてく歩くと照
明のついた高速バス停留所があっていて、そこに非常電話があった。自慢じゃない
が高速道路の非常電話を使うのは初めてである。てか、こんなのに一生用がない人
の方が多いだろうが。

カバーを開けて受話器を取ると、交換手みたいな人が出る。
 「どうしました?」
 「いやーオーバーヒートで停まっちゃいました」
上り線津名一宮インターの先何キロポスト付近と説明すると、
 「どこか希望される業者がいますか? なければJAFになりますけど」
こんな淡路島の山奥に親戚知り合いはいないのである。しょうがないので「いませ
ん」と応えると、電話をJAFに転送してくれる。そこでまた場所と車種を連絡す
ると、車に戻って待てという。
ふたたび照明のない真っ暗な高速道路上をとぼとぼと歩いてMINIまで戻る。真っ暗
な中、ハザードランプだけチカチカさせているMINIがそこにぽつねんと停まってい
るのであった。

<続く>